【感想】日本アカデミー賞『新聞記者』を読んで

 

こんにちは。先日新聞記者をアマプラで観ました。

 

 

正直なところ、この映画を観てこのシーンは現政権のこの問題を如実に再現しているというレベルの話が出来るほど私は知識を持っていないのです。政治や税、経済に関して興味を持ち始めたのが約1ヶ月前ですので加計問題や桜を見る会といった以前の話は深く知らないのです。他の方の感想を見ていると戦争化学兵器のための大学創設はまさに加計学園の話を彷彿とさせるという意見の方が居ました。その意見を閲覧した上で私なりにこの映画を解釈すると

 

政権の腐敗を正そうとする人間が権力や欲望と闘うという話

なのかなと思いました。

 

中身ウスウスですが今回は許してください!

 

 

新聞記者

新聞記者

  • 発売日: 2019/10/23
  • メディア: Prime Video
 

 

 

 

 

 

『知らないと損する池上彰のお金の学校』を読んで

 

はじめに

池上彰の著書を初めて読んでみました。結論から言うとめちゃくちゃ読みやすい!感動!という印象でした。他にもお金に関する本をいくつか読んできましたがこれほど初級者向けに丁寧に解説されてる本はありません。少し難しいなという所では比喩を用いたりして誰が読んでも理解できるような工夫が凝らされているところに池上彰さんの凄みを感じました。ここまで丁寧にかつ客観的にお金について書かれている本は他にないのではないかと思います。

 

面白かったポイント

 

これは経済全体に言える事ですが、みんなバックミラーを見ながら運転しているのです。経済というのは決して前が見えない。

 

経済評論家やアナリストはそれらしい事をニュースで言っていますが結局前方が見えてる人は1人たりともいない。どのような視界が目の前に広がっているかを知るには過去のこと、つまり歴史を深く知ることが近道だと再認識しました。経済を道路に例え、投資家をドライバーに例えるあたり池上先生らしく秀逸だなと思いました。パンピー(一般ピープル)にわかりやすく解説する能力で池上彰の右に出る者はおそらくいないでしょう。

 

 

かつての京都では、道路に面した部分の長さによってその家が払うべき税金の金額を決めていました。道路に面した部分が長い家は、たくさん税金をとられてしまうわけです。それによって何が起きたのか。京都の家はみんな、入り口がとても狭くて、奥行きのある造りになりました。デザインや生活のしやすさから、京都特有の細長い家造りが行われたのではなくて、いわば税金対策として、京都の建築文化が形作られていくわけです。

 

非常に面白い!高所得者に多く税金を負担させるためこのような工夫を凝らしました。結果として負担者はどれだけ税金を払わなくて済むようにするかを考えた結果、街の様相まで変化したという話は興味深いと思います。今では累進課税制度が日本で取り入れており高収入者ほど税負担が大きくなる仕組みをうまく構成していますが、昔はおそらく目に見える形で市民に分かりやすいように税負担をさせていたのだなと思いました。

 

間接税を多めにするというのは、日本だけの話ではなくて、世界的な潮流でもあります。

 

税金は所得税、住民税などが分類される直接税と消費税などに代表される間接税の2つがあります。現在日本では6:4ですが間接税の割合を増やしていく必要性を説いている人もいるそうです。それには増税する事が近道なのです。

 

最後に

お金を稼ぐ力をつけたい!と思ってお金を理解する本を沢山読んでいます。この本はそういった人へのはじめの第一歩となる素晴らしい本です。投資を始める人にも必要な事がたっっくさん書いてます。

 

 

知らないと損する 池上彰のお金の学校 (朝日新書)

知らないと損する 池上彰のお金の学校 (朝日新書)

  • 作者:池上 彰
  • 発売日: 2011/10/13
  • メディア: 新書
 

 

 

『日本への警告』を読んで日本の未来に期待が持てなくなった

 

ジム・ロジャーズの著書を読了しました。日本の良さを謳う本が多い中、日本をクリティカルな目線から客観的に評価しています。

 

 

少子高齢化の根本原因

彼曰く日本の最も深刻な問題は少子高齢化であるといいます。年金や医療費など社会保障を担う若者世代が少なくなっていくとそうした制度が成り立たなくなってしまうということです。日本は鎖国時代は遥か昔に終わっているものの排他的で外国人を含む目新しいものへの嫌悪感が人一倍強い人種であることを改めるべき事項として挙げています。こうした思考習慣を見直す事で移民受け入れを寛容にし若年層の減少を防ぐことができ結果として日本という国が衰退せずに済むと語っています。これが期待できないという点からジム・ロジャーズは日本への投資活動を辞めた理由です。

 

私自身も以前から日本が移民の受け入れに目をつぶってしまっている現状に疑問を感じていました。こうした日本の態度は国際社会からは受け入れがたいものであると移民受け入れに積極的なドイツを中心にヨーロッパ諸国は感じているはずです。

 

アベノミクスへの疑問

アベノミクスに対する脆弱性も指摘されています。たしかにアベノミクスの効果で株価は上昇しているものの国民が豊かな生活を送れるようになってるわけではないと主張しています。日本はとてつもない額の債務を持っておりそれを解決していくには現在の腐敗している国のお金の使い方をただし、民営化を進め若者がクリエイティブに社会に関わっていけるように推し進める政治をする必要性を語っています。

 

中国語への投資

中国語を学ぶことが投資になる。彼自身も娘達に中国語を学ばせるためにシンガポールに移住し、ネイティブスピーカーとして中国語を話す環境を作りました。同じアジア圏の日本人は、これから言語としての拡がりが期待できない日本語ではなく中国語にシフトしていく事を日本人に対して期待しています。私の意見としては、言語と文化は切っても切り離せないものであって単に言語を変えるという事を人々は受け入れる事はできないと感じます。なぜなら言語はアイデンティティであり他の人に思っている事を伝えるツールであるだけではないからです。

 

信念

彼は大衆心理にただ従って行動選択を行う危険性を感じています。なぜそのような大衆の意見があるのかという事に常に疑問を持ち、自分の目で真実を確かめた上で行動する事を大切にしています。

 

 

 

 

『交渉力』を読んで譲歩の大切さを学んだ

 

橋下徹氏の『交渉力』を読了しました。2つほど心に残った言葉を紹介します。

 

自分の要望を絞り込むからこそ、その他のところは譲歩することが可能で、ゆえに自分の要望を実現できる可能性が高まる。

交渉において自分の希望全てを通そうとしてはダメ。絶対に譲れないもの、譲歩出来るものをあらかじめ把握して譲歩出来るものをカードとして用意しておく事でスムーズな交渉が行える。

 

 

相手の絶対に譲れないラインを探り把握する。譲歩の余地のあるところで交渉する。絶対譲れないラインで交渉が膠着すれば、要素に分解して、さらに交渉の余地を見出していく

相手の絶対譲れないラインも非常に重要だ。なぜならそれ以外の点では譲歩の余地があるという事だからだ。この件に関しては反対だ!と相手が主張している場合、それは非常に抽象的でありこれをいくつかの要素に分解する事で相手の真の要求が見えてくるのだ。

 

関空の民営化実現するために財務省に根回しして関空への200億円の補助金を停止させ国交相が民営化に動き出さざるを得ない状態を作った話では、橋下徹氏の対話という交渉だけではない、広義の交渉での巧さが出ているエピソードだと感じました。

 

 

これだけは譲れない!という点を洗い出し他の点においては柔軟に動かしていくという発想は人生全般で重要な事だと思います。手段と目的を混同させないということです。どうしても達成したい目標があるときに手段を選んでいるようではいけません。手段に譲歩するという形でそれの実現に向けて努力していく事をこの本から学びました。

 

交渉力 結果が変わる伝え方・考え方 (PHP新書)

交渉力 結果が変わる伝え方・考え方 (PHP新書)

  • 作者:橋下 徹
  • 発売日: 2020/03/13
  • メディア: 新書
 

 

 

『死神の精度』を読んで

 

 

 

初めて伊坂幸太郎の作品を読みました。

 

 

 

 

主人公は死神という役職です。死神はある1人の人間のもとに配属され、その人が死ぬかどうかの最終決定を任させており殆どの場合は「可」という報告をし、当事者の死を見守るという役目をします。また死神はその任務に応じて姿を変えて配属されます。

 

果たして主人公が人間なのか?死後の人間なのか?という所は明かされぬまま終わりました。

 

私の予想では、死神にも感情がありこの人間を生きながらえさせたいと思うような素敵な人間に出会い本当の死神の正体が明かされていくという話で着地すると考えていました。

 

 

 

 

が、その予想は見事に外れました。死神の正体はついに最終章まで明かされることはありませんでした。伊坂幸太郎が伝えたかったメッセージはやはり生きる事の素晴らしさではないかと最終章を読んで感じました。

 

 

死神の精度 (文春文庫)

死神の精度 (文春文庫)

 

 



『喜嶋先生の静かな世界』を読んで進路選択しよう

 

あらすじ

小中高で暗記に注力する教育を受けてきた主人公は辟易としていた。大学に入ってからも結局はそれまでの教育と変わらないのかと失望していた。卒論の研究のため選んだ研究室で喜嶋先生と出会う事になる。そして生涯通して大事なこと、研究する事への喜びを先生のもとで学んでいくことになる。

 

 

感想

 

私の周りにも理系大学生が忙しい、忙しい。と言いながら大して興味のある分野でもないレポート作成に四苦八苦している様子をよく見る。それを目にするたびに少しかわいそうに見えてくる。

 

高校3年の冬に文転した私ですがその理由は、理系科目が苦手だったことと仮に理系に進学しても興味のない学部に入ってしまっては4年間を棒に振ることになると考えたからでした。私が理系に進むのはミルクボーイがロケ専門の芸人になるようなものです。そんな危ないマネは出来ません。実際その時の決断は私の人生を大きく好転させるものだったと今は思います。

 

この本を読んであらためて文系が自分に向いてるし、研究室でひたすらに数式を解くなどという行為は自分には向いていないのだなと感じました。主人公のように人と関係性を持つことよりも数式を解き続ける方が好きという人はあまり多くないと思いますが、非常に尊敬できる存在だと感じます。私にとってはこうして今ブログで文字を綴っている時の方が数倍楽しいです。ミルクボーイがロケを苦手としているように人には向き不向きがあってそれを自分自身が知っておく事はとても大切です。

 

何かに夢中になって取り組む経験は人生の他のどんな経験にも勝るほど充実しているという点も非常に共感しました。そうした経験を増やしていきたいです!読書もそのひとつだと思います。読む前からその本が一生涯大切な指針になるなんて誰も思いっていませんし、数をこなしてそのようなものに出会える確率を上げていくのが私にできる事です!