『知らないと損する池上彰のお金の学校』を読んで

 

はじめに

池上彰の著書を初めて読んでみました。結論から言うとめちゃくちゃ読みやすい!感動!という印象でした。他にもお金に関する本をいくつか読んできましたがこれほど初級者向けに丁寧に解説されてる本はありません。少し難しいなという所では比喩を用いたりして誰が読んでも理解できるような工夫が凝らされているところに池上彰さんの凄みを感じました。ここまで丁寧にかつ客観的にお金について書かれている本は他にないのではないかと思います。

 

面白かったポイント

 

これは経済全体に言える事ですが、みんなバックミラーを見ながら運転しているのです。経済というのは決して前が見えない。

 

経済評論家やアナリストはそれらしい事をニュースで言っていますが結局前方が見えてる人は1人たりともいない。どのような視界が目の前に広がっているかを知るには過去のこと、つまり歴史を深く知ることが近道だと再認識しました。経済を道路に例え、投資家をドライバーに例えるあたり池上先生らしく秀逸だなと思いました。パンピー(一般ピープル)にわかりやすく解説する能力で池上彰の右に出る者はおそらくいないでしょう。

 

 

かつての京都では、道路に面した部分の長さによってその家が払うべき税金の金額を決めていました。道路に面した部分が長い家は、たくさん税金をとられてしまうわけです。それによって何が起きたのか。京都の家はみんな、入り口がとても狭くて、奥行きのある造りになりました。デザインや生活のしやすさから、京都特有の細長い家造りが行われたのではなくて、いわば税金対策として、京都の建築文化が形作られていくわけです。

 

非常に面白い!高所得者に多く税金を負担させるためこのような工夫を凝らしました。結果として負担者はどれだけ税金を払わなくて済むようにするかを考えた結果、街の様相まで変化したという話は興味深いと思います。今では累進課税制度が日本で取り入れており高収入者ほど税負担が大きくなる仕組みをうまく構成していますが、昔はおそらく目に見える形で市民に分かりやすいように税負担をさせていたのだなと思いました。

 

間接税を多めにするというのは、日本だけの話ではなくて、世界的な潮流でもあります。

 

税金は所得税、住民税などが分類される直接税と消費税などに代表される間接税の2つがあります。現在日本では6:4ですが間接税の割合を増やしていく必要性を説いている人もいるそうです。それには増税する事が近道なのです。

 

最後に

お金を稼ぐ力をつけたい!と思ってお金を理解する本を沢山読んでいます。この本はそういった人へのはじめの第一歩となる素晴らしい本です。投資を始める人にも必要な事がたっっくさん書いてます。

 

 

知らないと損する 池上彰のお金の学校 (朝日新書)

知らないと損する 池上彰のお金の学校 (朝日新書)

  • 作者:池上 彰
  • 発売日: 2011/10/13
  • メディア: 新書