『日本への警告』を読んで日本の未来に期待が持てなくなった

 

ジム・ロジャーズの著書を読了しました。日本の良さを謳う本が多い中、日本をクリティカルな目線から客観的に評価しています。

 

 

少子高齢化の根本原因

彼曰く日本の最も深刻な問題は少子高齢化であるといいます。年金や医療費など社会保障を担う若者世代が少なくなっていくとそうした制度が成り立たなくなってしまうということです。日本は鎖国時代は遥か昔に終わっているものの排他的で外国人を含む目新しいものへの嫌悪感が人一倍強い人種であることを改めるべき事項として挙げています。こうした思考習慣を見直す事で移民受け入れを寛容にし若年層の減少を防ぐことができ結果として日本という国が衰退せずに済むと語っています。これが期待できないという点からジム・ロジャーズは日本への投資活動を辞めた理由です。

 

私自身も以前から日本が移民の受け入れに目をつぶってしまっている現状に疑問を感じていました。こうした日本の態度は国際社会からは受け入れがたいものであると移民受け入れに積極的なドイツを中心にヨーロッパ諸国は感じているはずです。

 

アベノミクスへの疑問

アベノミクスに対する脆弱性も指摘されています。たしかにアベノミクスの効果で株価は上昇しているものの国民が豊かな生活を送れるようになってるわけではないと主張しています。日本はとてつもない額の債務を持っておりそれを解決していくには現在の腐敗している国のお金の使い方をただし、民営化を進め若者がクリエイティブに社会に関わっていけるように推し進める政治をする必要性を語っています。

 

中国語への投資

中国語を学ぶことが投資になる。彼自身も娘達に中国語を学ばせるためにシンガポールに移住し、ネイティブスピーカーとして中国語を話す環境を作りました。同じアジア圏の日本人は、これから言語としての拡がりが期待できない日本語ではなく中国語にシフトしていく事を日本人に対して期待しています。私の意見としては、言語と文化は切っても切り離せないものであって単に言語を変えるという事を人々は受け入れる事はできないと感じます。なぜなら言語はアイデンティティであり他の人に思っている事を伝えるツールであるだけではないからです。

 

信念

彼は大衆心理にただ従って行動選択を行う危険性を感じています。なぜそのような大衆の意見があるのかという事に常に疑問を持ち、自分の目で真実を確かめた上で行動する事を大切にしています。