【感想】十字架(重松清)を読んで

 

こんにちは。今回は重松清著『十字架』を読んでの感想をお伝えします。

 

あらすじ

俊介という中学生の子が同級生からのいじめが原因で自殺をしてしまいます。遺書には4人の名前がありました。主人公、さゆりという名前の同級生、いじめていた加害者2人の計4人です。俊介は遺書に主人公の事を親友であったと綴り、さゆりは一方的に好意を寄せられていた事で迷惑をかけたと感じた俊介がさゆりに謝罪するという内容でした。そしてこの遺書が彼らの人生を大きく変えていったという内容です。

 

感想

幸運にも私はこれまで親や兄弟が亡くなるという経験をした事がなく、どうしても『死』がどういうことかを考える機会はあまり多くない方だと思います。十字架の中では俊介の自殺によって周囲の心情の変化がありありと書き綴られているわけですが、当事者達にとっては全てが特別な日々に変わっていく様子が印象的でした。それと同時に被害者、いじめ加害者、被害者の両親、遺書に名を連ねられた者のうち誰が1番苦しいのかという事を考えるのは難しいし、不毛なことであると感じました。自殺してしまった本人が最も辛いという意見は当然あるしそうかも知れませんが作中でもあったように一瞬の大きな痛みと一生の痛みがずっと続くうちのどちらを選ぶかというのは難しい話なのです。

 

まとめ

俊介が生前に旅行のゴールに選んでいたストックホルムにある十字架の墓地を、私もいつか大切な人を偲びつつ訪れる日が来るのかも知れません。

 

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