『ひとはなぜ戦争をするのか』を読んで戦争は無くなると思った

 

この本はアインシュタインフロイトに手紙を送り、ひとはなぜ戦争をするのかというテーマで論じたものが前半で、後半は2人の日本人が前半の内容を解説していく構成です。

 

アインシュタインのアイデア

戦争を確実に防ごうと思えば、皆が一致協力して強大な中央集権的な権力を作り上げ、何か利害の対立が起きたときにはこの権力に裁定を委ねるべきなのです。それしか道がないのです。

 

アインシュタインの主張は極めて理想論という印象を感じざるを得ません。こうなったらベストだけどこうなるのは厳しいよねという意見であると思います。アインシュタインが生きた時代には国際連盟が存在し、現在では国際連合へ変化し前者に比べれば限りなく中央集権的な権力となり得たと考えられます。しかし戦争を無くすというレベルの話になるとこの組織はまだまだ未熟と言わざるを得ませんよね。

 

フロイトのアイデア

心理学的な側面から眺めてみた場合、文化が生み出すもっとも顕著な現象は二つです。一つは、知性を強めること。力が増した欲動をコントロールし始めます。二つ目は攻撃本能を内に向けること。好都合な面も危険な面も含め、攻撃欲動が内に向かっていくのです。

 

文化の発展を促せば、戦争の終焉へ向けて歩み出す事ができる

 

つまりフロイトは大衆に文化が根差すと帰属意識や隣人への愛を育む事ができ、知性も育んでいく事ができるので結果として攻撃欲動が外へ向くことが無くなると主張しています。

 

まとめ

アインシュタインフロイト両者の、意見を読んでより現実的なものはフロイトのものであると感じました。アインシュタインの指している中央集権的な権力は現在でいうところの国際連合を指していると思いますが、国連は果たして各国を動かす力を持っているでしょうか。各国が母国の国益を求めて動いている現状を鑑みて少しこれは難しいと感じます。トランプ大統領ナショナリズムに基づく保護主義を謳っている中で国連に権力を委ねるのはどう考えてもあり得ません。一方でフロイトの意見は現実的ではありますが、一朝一夕に地球上のすべての人々が一定数の文化に属して更にはその文化同士が尊重し合うのは無理です。まずは発展途上国貧困問題に目を向けない限りは文化の醸成並びに文化の尊重を誰しもが出来るようになるのは不可能です。貧困国と言われる国でも全ての子供が教育受ける事ができるようにしたいと感じます。